一目で分かるオーダーキッチン
ワークライフバランスに関するシンポジウムなどで、かならず出る質問は、その導入にはコストがかかるのではないかということである。
イギリスの経営者は、多様な働き方を導入することに対してかかるコストを、どのようにみているのだろか。
非常にコストがかかった企業の理由をみると、職場内に保育所を作ったためにかかる運営コストや従業員の子育てコストを補助したためにかかった支出などがその理由になっており、柔軟な働き方を導入したためにかかった費用ではない。 なぜコストはそれほどかからなかったのだろうか。
イギリスの大手法律事務所で、イギリスの「ワ-クライフバランス」企業ベスト一OOに選ばれたエパシエツドという弁護士事務所の人事担当者のカロライン・ウィルソンさんに、その理由を聞いてみた。 労働時間を短くした分だけ、給与も減るからだということだった。
その見返りに、仕事の満足度は増す。 労働時間やパーフォーマンスにあわせて給与が支払われているから、企業はその点では損も得もしない。
自分が望む働き方が出来れば仕事に対する満足度は高くなる。 とはいうものの、それぞれが自分の働きたいように働けば、その分、あいだに入って、それを調整しなければならない人事担当者の負担は高まる。
管理コストもばかにならないのではないだろうか。 ところが、こちらの方も、たいしたコストではないという。
一年に一回、上司と短時間会って、話し合い、微調整し、六ヶ月おきに問題が無いか確認するだけだという。 もちろん、売り場でセ-ルスをしているひとが家で働きたいと希望を出しても無理かもしれないが、大抵の場合は何とかなるとのこと。
短時間働くことによって、生産性が上がるということもあるのだが、企業が制度を導入する理由は、従業員の満足度を高めるためで、生産性を上げようという理由で導入するわけではないらしい。 また、英国マネジメント協会(CIPD)がおこなった雇用主調査の結果からは、柔軟な働き方の導入が組織の利益につながっているかどうかについてのはっきりとした結論はえられていないという従業員のモラルや満足度は上がるということははっきりと示されている。
貿易産業省などがプラスの効果としてあげられている。 ワークライフバランス・キャンペーン九七年にプレア政権が誕生すると、仕事と家庭の両立支援が政府の優先施策として取り上げられ、長時間労働を育んでいる「英国の労働文化」を変えるためのキャンペーンが実施された。
政府はワークライフバランス施策の導入のために専門のコンサルタント機関を利用する雇用主に対して、資金援助をおこなうために「チャレンジ基金」を設置している。 申請の受付は、貿易産業省がおこない、支援対象者を決定している。
期間は一二ヶ月。 選ばれた企業は、コンサルティングの支援を受けながら、プロジェクトを実施し、その効果について情報を公開する義務を負う。
このプログラムのためにイギリスは二OOO年からO三年までのあいだに約二二億円の支出をし、四四八企業が支援を受けている。 また、ワ-クライフバランスのための雇用主連盟が結成され、この施策のメリットを広め、その取り組みを広げていくための啓発活動などもおこなわれている(現在は「ワ-クライフバランスと雇用主連盟」という団体に事業が引き継がれて運営されている)。
第6章では海外の事例を中心に、ワークライフバランス社会を展望した。 日本でもワ-クライフバランスへの関心が日増しに高まってきている。
仕事か家庭かどちらかを選ぶのではなく、どちらも充実させたいというひとがふえている。 そういったひとびとの意識の変化を反映して、人事管理制度を大きく変えようというのが、ワークライフバランス施策の導入に踏み切る企業側の論理である。
背後には、人口構造の変化と若年労働力不足といった経済変化があり、団塊の世代が、退職後の人生を考えるにあたって、いままでの仕事や生活をもう一度振りかえり、仕事と生活をバランスさせていくための企業研修などもふえている。 ある会合で、柔軟な就業形態が選択できたために、自分自身がずいぶん助けられたと発言した若い日本人の男性がいた。
別の機会にお会いして、その経緯や体験を聞かせていただいた。 つぎは、日本で事業を展開している外資系の企業に勤めるKさんは三O代前半。
留学経験も転職経験もある。 いまの会社に移ったのは二年前で、採用されてすぐに、日本企業とのジョイントベンチャーとして立ち上げられた新会社に人事の担当として出向を命じられた。
ところが運が悪いことに、新規事業を立ち上げるという最も忙しい時期に相次いで両親が倒れ、余命いくばくもないと知らされる。 しかも親が入院したのは別々の病院である。
とても妻だけで対応できるような状況ではなかった。 入社後一年がたつていないので法律で定められている介護休暇を取得することができない。
有給もすべて使い切ってしまい、欠勤がふえてしまった海外への出張を命じられでも、親がいつ危篤になるかわからない危険な状態なので日本を留守にすることはできない。 そうこうしているうちに、自分と会社とのあいだの距離は広がっていき、ついに決心して、退職願いを会社に出した。
と、まあここまではよくある話である。 出向先の会社は、事情を知っていたせいもあって、仕方がないと、退職屈を受理してくれた。
また親会社の方でも、親の看病が一段落したら、また入社試験を受けて戻っておいでよ、といった感じで退職話が進んでいた。 もうすっかり退職する気になっていたKさんのところにある日、トップの上司から一本の電話がはいった。
アメリカ人の女性上司はこういった。 「家族と仕事とどちらかを選ばなければいけない、ということはありえない」と。
社員としてのパーフォーマンスが悪いのではない。 休職という形を取ればいい。
この一言で、本社との雇用が維持され、首がつながった。 残念なことに、休職し、これから看病に専念できるとおもっていた矢先に母親が亡くなり、その一週間後には父親も亡くなってしまった。
ふたりいっぺんに亡くなってしまうと、精神的にもきつい。 事後処理もいろいろとある。
時つぎに会社がしてくれたのは、そういった精神的あるいは付随的な大変さから解放されるまでのワ-クライフバランス施策の恩恵を受けたのである。 週三日の勤務を選択し、親の死去にともなうさまざまな事後処理を進めた。
この間の給与は労働日数が五分の三に減ったことにともなって給与が二割カットされただけである。 ところが一ヶ月もすると、逆に不安になってきた。
家族も養っていかなければいけない。 フルタイムの仕事に戻りたい。
すると今度、会社は帰ってくる場所(ポスト)をきがしてくれた。 いまでは何ごともなかったように新しい会社で、仕事を続けている。
その後昇給もし、処遇においても、家族の介護に費やした時聞がマイナスに影響していない、というのが、Kさんが話してくれたこれまでの経緯である。 そうですね。
一時的な家族の事情で働けないということだったので、それがだれの自にもあきらかであれば、だれでもこのような配慮を会社からしてもらえたとおもいます。
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貿易産業省などがプラスの効果としてあげられている。 ワークライフバランス・キャンペーン九七年にプレア政権が誕生すると、仕事と家庭の両立支援が政府の優先施策として取り上げられ、長時間労働を育んでいる「英国の労働文化」を変えるためのキャンペーンが実施された。
政府はワークライフバランス施策の導入のために専門のコンサルタント機関を利用する雇用主に対して、資金援助をおこなうために「チャレンジ基金」を設置している。 申請の受付は、貿易産業省がおこない、支援対象者を決定している。
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背後には、人口構造の変化と若年労働力不足といった経済変化があり、団塊の世代が、退職後の人生を考えるにあたって、いままでの仕事や生活をもう一度振りかえり、仕事と生活をバランスさせていくための企業研修などもふえている。 ある会合で、柔軟な就業形態が選択できたために、自分自身がずいぶん助けられたと発言した若い日本人の男性がいた。
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ところが運が悪いことに、新規事業を立ち上げるという最も忙しい時期に相次いで両親が倒れ、余命いくばくもないと知らされる。 しかも親が入院したのは別々の病院である。
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ふたりいっぺんに亡くなってしまうと、精神的にもきつい。 事後処理もいろいろとある。
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その後昇給もし、処遇においても、家族の介護に費やした時聞がマイナスに影響していない、というのが、Kさんが話してくれたこれまでの経緯である。 そうですね。
一時的な家族の事情で働けないということだったので、それがだれの自にもあきらかであれば、だれでもこのような配慮を会社からしてもらえたとおもいます。
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